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走るべきか。歩くべきか。

関東甲信越地方でも梅雨入りが発表され、傘が手放せない季節となってきた。ずっと降り続く雨なら問題ないのだが、降ったり止んだりを繰り返す雨は非常に厄介だ。降っていないタイミングで外に出ると確実に傘を忘れてしまうからだ。

そうなると、今度は降ってくるタイミングで手元に傘がない、という状況が生まれる。そうなった場合、多くの人がとりあえず雨宿りできる場所まで走ったりするのではないだろうか。その際に疑問に思ったことがあるはずだ。

走ったほうが雨に濡れないのか?

単純に走ることによって雨に晒される時間は短くなる。しかしながら、それによって本来は体にぶつかる予定になかった雨粒も体の前面に受ける可能性がある。つまり、ゆっくり歩いた時と小走りに走った時、体に受ける水滴の総和はどうなるか、という問題である。表にすると以下のようになる。

歩いたとき
・体の上面に降り注ぐ雨←多い
・体の前面に当たる雨←少ない?
・雨に当たる時間が長くなる

走ったとき
・体の上面に降り注ぐ雨←少ない
・体の前面に当たる雨←多くなる?
・雨に当たる時間が短くなる

実際のところ、走ることによって体の前面に受ける雨がどれだけ増えるのかがポイントになるのだけど、結論から言うと、受ける雨の総量は走ったほうが若干少ない。ただし、よほど極端に歩くのが遅いか走るのが速いかしない限りそんなに変わらない。走ったほうがやや減ると考えられるが、体力の消耗と、水たまりに足を突っ込んで巻き上げられたりして足が濡れることを考えると、そこまでお得とは言い難い。

それでもやはり、傘のない状態で雨に遭遇すると走りたくなってしまうのは心理として理解できる。実は、これと同じ現象は何も雨だけではなく起こり得るのだ。

歩いていてウンコをしたくなった時、歩いたほうが得か走った方が得か。

これは永遠の課題である。

普通に考えて、雨みたいなチンケな事象よりも重大な問題だ。こちらの方が一刻を争う重大問題で、言わせてもらうと、雨に濡れるなんてどうでもいい、好きにすりゃあいい。濡れた?着替えろよ。こっちはな、漏らしたら深い心の傷を負うんだよ。

ウンコを漏らしそうな腹痛が襲ってきた場合、まず最初に考えるのがその腹痛がどのレベルのものか、という判断だ。熟達者ほどこの判断が正確で速い。以下に腹痛の危機レベルを示す。

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P3レベル以上の腹痛となると漏らすことがかなり現実的になってくる。そして、次に考えるのが、トイレはどこにあるのかという部分だ。熟達者は、トイレに行ける公共施設や店舗を常に把握している。もっとプロフェッショナルになると民家に駆け込むこともいとわない。瞬時にトイレまでの距離を計算し、そこまで耐えられるか判断する。場合によっては家に引き返す方が賢明であればそうする。

さあ、腹痛のレベルも分かった。どれくらいが限界かもなんとなく分かる。そしてトイレまでの距離も判明した。そうなってくると次に考えるのが「歩くべきか、走るべきか」という問題だ。これが我々脱糞家にとって永遠の課題なのである。

これは雨の問題と同じで、もちろん、事態は一刻を争うのでいち早くトイレに駆け込むのが得策なのだが、走るのというのはウンコにとってあまりよくない。刺激を与えてはそのままドルンといってしまう可能性を秘めている。だからといってゆっくり歩いていてはトイレに到達するまでにダボンといってしまう。実に悩ましい問題だ。

この問題はシリアスでナイーブな問題で、ここをクリアーにすることで世界のうちで数十%くらいの不幸な事故を減らすことができる。しかしながら、これまでにあまり真剣に検証されてきたことはない。

そこで今回、我々編集部では多数の実験を通し、ウンコが漏れそうな時に走るべきなのか、歩くべきなのか、定量的に検証を行った。その結果を公表したい。

脱糞検証

筆者は通勤時に職場まで歩いているときに毎日ほぼ同じ場所で腹痛になる点に着目し、それを利用して比較検証を行った。日によって最初に感じる腹痛レベルが異なるため腹痛レベルも記した。時間ごとのEV(Excrement Value)を示した。EVは、普通にトイレに行ってウンコしようかなという便意を1とした際の比較値である。

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初期レベルP4の18分とは、腹痛のあまり歩く速度が遅くなったためにP3より時間がかかったため生じた測定点である。125.1とは驚異的数値であり、漏らしていないことが不思議な値である。これはゴリラ用の下剤を服用した時と同程度の水準である。

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初期レベルHardにおいては、5分以降の測定は行えなかった。また初期レベルNightmare以上の事象は発生しなかった。

これらEVは時間の関数であると思われるので、t-EV線上にプロットし、近似を行った。

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次に、腹痛を感じてからトイレまで走った場合のEVの変化を示す。

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初期レベルHardではそもそも走ることができなかった。走ることによって顕著にEVが上昇していることがわかる。運動をすることにより腸内が刺激され、堰き止めている筋肉の働きが弱まることが原因と考えられ、概ね予想通りの結果である。

これらをプロットし、近似すると以下のようになる。

 

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トイレ到達時のEVを比較すると次表のようになる。走ることにより明確にトイレ到達時のEVが上昇していることがわかる。つまり、同じトイレまでの距離でも走ることにより極度に負担が上昇するといえる。

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脱糞の限界値
  
ここまでの結果で、走ることにより時間短縮以上に、EV上昇効果が高いことが分かった。しかしながら、ここで着目すべきは走行時のP4における12分でのEV=415.6である。これはほぼ人類の限界値を超えており、神の領域に手をかけてると言って良い。

一般的にはEVが100以上において意志とは無関係の脱糞が起こるとされているが、それは大きな誤りであったと解釈せざるを得ない。つまり、意志とは無関係の脱糞はEVの最大値ではなく、EVの累積値に大きく影響されると予想される。図に表すと以下のようになる。最大値ではなく、図で示した面積部分が重要となる。つまり、程よい腹痛であっても長時間であればるほどこの累積値は増し、ある値を超えたところで脱糞が起こる。また、かなり激しい腹痛であってもその時間が短ければ耐えられる可能性がある。この面積はEVの時間変化から得られる脱糞関数f(t)を定積分することにより求められる。

 

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つまり、歩いた場合においてはEV曲線の指数にかかる係数は小さくなるが、時間が長くなるため、積分値も大きくなる。また、走った場合は係数が大きくなるが時間が短くなる。かかる係数はその日の体調や、初期レベルによって決まる脱糞係数によって定義されるが、これに標準値を代入すると、おおよその累積値を計算することができる。

P4レベルにおいて走行時と歩行時の積分値を計算すると以下のようになる。

 

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つまり、P4レベルにおいては走った方が脱糞する可能性が2倍高い。ただし、これは歩行において18分間経過した時の距離である。例えば半分の距離で9分間歩行したと仮定すると、走行も同様に半分の6分で走ったと仮定すると

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その積分値は相変わらず走行時の方が高いが、その差はかなり小さくなっている。ただし、すべての領域において走行時と歩行時の積分値の大小が入れ替わることはない。つまり、腹痛時は歩いたほうが得策であると結論づけることができる。

結論

腹痛時は歩いてトイレに向かうほうが良い。ただし、先にあるトイレの状況も鑑みて、例えば駅などの混みやすいトイレを目標としている場合は、1秒でも早く到達した方が良い場合がある。タッチの差でソールドアウトという悲劇を繰り返さないためにも、目的のトイレが混み合うことが予想される場合は、歩行時で9分程度、成人男性の歩幅で計算して720m以下の距離であれば、走ってもそこまで脱糞の可能性は上がらない。